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【ボーカル講座】1. 共鳴について

Feb 17, 2016

ボーカル講座イメージ

ボーカル講座第1弾、今回は「振動」について。

皆さん、音はどのように鳴って、どのようにして私たちの耳まで届き、

音として認識されるのか、考えた事はありますか?

簡単に言うと、まずは、物体(声の場合は声帯など)を、何らかの方法で振動させると、
その振動が音の波となり、私たちの耳まで届き、耳から届いた音を、脳で認識します。

今回は、「振動」にフォーカスを当てたいと思います。

ドラムの場合は、「叩く」と、振動しますね。

声の場合は、どうでしょうか?
何を原因として、体が振動して「声」になるのか、
説明して下さい、というと、意外と難しいのでは。

これには、さまざまな身体の中の機能が関係していますが、
ざっくり、こんな感じでしょう。

  1. 息を送る
  2.  送られた息を元に、声帯を振動させる
  3. 体内の至る所で音が増幅される
  4. 口や鼻から音が出てくる(この時に、舌の動き等で子音や母音を形成する)

ただ単純に、声帯を振動させたから、声となって出てくる!
・・・というわけではない事がわかりますね。

 この、一つ一つのメカニズムを理解する事で、
ボーカルとしての技術を磨く事が出来るのではないでしょうか。

例えば、

1. 息を送る

ですが、息をどこからどこまで送るのか?や、
送る息の量の調節、 息を吸う方法などを改善する事によって、
声量や声質、声の太さ等に大きな影響があるのでは?

例えば、歌を歌う時に、口から息を吸って喉のあたりまでしか息を止めない、という方は、
鼻から吸って、しっかりとお腹にまで空気を送るようにする事で、
かなり楽に歌えるようになるでしょう。

そして、 お腹に溜まった空気を元にして、深く息を声帯部分に送り出す事で、
しっかりとした、芯の太い声を出せるようになるはずです。

次に、

2. 送られた息を元に、声帯を振動させる

音は、振動数によって、音の高低が決まります。
早く振動させればさせる程、高い音が出ます。
声帯を振動させる時は、地声であれば声帯が閉じた状態で振動しますし、
裏声であれば、声帯が半開きの状態で振動します。
その際に、振動を早くさせれば、高音が出るはずです。

では、どのようにすれば高音が出るのでしょうか?

喉に力を入れる?息を強く吐く?
いえいえ、力任せではだめですよ。

大事なのはバランスです。適切な息の量と力加減で、
体に負担をかけず、「バランス」で発声する事が大事です。

声帯は、振動の増減で音の高低が決まるんだな、という事が理解できれば、
力任せに発声する事をやめて、体全身でバランスをとり、
無理無く振動出来るようにサポートしてあげる事が肝心です。

 なお、これには、声帯の周囲の筋肉を鍛えたりする事も有効です。
かと言って、鉄アレイを首に巻きつけて・・・とかは危ないのでやめて下さい。

基本的なのは、定期的な発声練習。
スポーツ選手だとお分かりだと思いますが、筋力トレーニングを止めてしまうと、
がくっと筋力が衰えてしまいます。
ですので、発声練習を継続する事は大事です。

特別に、首の周りの筋肉を鍛えたいと思ったら、
仰向けに寝っころがった状態で、首だけを起こした状態で発声練習してみては?

では、次に行きましょう。

3. 体内の至る所で音が増幅される

これは、前述の、体でバランスを取る事にも精通しますが、
音は、体の内部で増幅される、という事を知る事が、とても大事です。
体の中にたくさん、増幅装置があって、音がそこを通るたびに、
音が増幅され、より豊かな音となって出力される、という事ですね。

オペラの歌手を見ると、一目瞭然でしょう。
一体、人間の身体のどこから、巨大なコンサートホールを埋め尽くすほどの声が出るのでしょうか。

体内全体が、アンプでありスピーカーでありえるのなら、
これを利用しない手はありません。

例えば、声帯から出てきた声を、頭蓋骨の中で増幅させたり。
(頭式共鳴、とでも言いましょうか。)

 これは、トレーニングによって身につける事が出来ます。

 普段から、ボイストレーニングの際に、鼻に手を置いてみて、
声を出した時、鼻が振動する事を確かめたり、
頭に手を置いて、頭から振動する事を確かめたりする事で、
次第と、音が増幅されている感覚をつかむ事です。

4. 口や鼻から音が出てくる(この時に、舌の動き等で子音や母音を形成する)

最終的に、体内で増幅された音を、「あいうえお」や「かきくけこ」など、
人が理解出来る言語に変換しなければなりません。

全く意味の分からないふにゃふにゃな言葉では、いくらきれいな歌声でも、
意味が無いですよね。

これを担うのが、口や舌です。
正しく、はっきりとした発音で、しっかりと伝わるように心がけましょう。

今回のまとめ

今回は、どのように声が振動するのかについて、
体内のメカニズムを中心に説明しました。

しかしこれだけ分かれば完璧なのか?というとそうではなく、
歌は、リズム感やグルーヴ感、音感、直感、霊感などの感覚的なものから、
音楽に関する知識や教養的なもの、人生観、価値観などの思想的なもの、
などなど、幅広いジャンルでのトレーニングが必要です。

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